ストーリー
――人は誰もがウソをつく。
自分を守るための嘘。 自分を否定するための嘘。
自分を誤魔化すための嘘。 自分であり続けるための嘘。
嘘にも種類があって、誰もが嘘をつく理由を持っている。
理由は分からない。けど、嘘をついているのは分かる。 そんな中途半端な能力を持つ少年・櫻井宗一郎。 しかし、その能力を得た代償は必要なわけで。 彼は能力を得た代償を支払うため、数々の依頼をこなし続けていく。 その結果、今では“学園一の問題児”と囁かれるまでになっていた。
一年前の初夏の日。 入道雲を見上げていた宗一郎の瞳に映ったのは、敵意の籠った視線を向けてくる一人の少女。 二人は出会い、近づいて、そして……離れてしまった。
――それから、一年後。 紆余曲折を得て、猫の手部にも新入部員が加入。 順風満帆とは行かずとも、それなりに騒がしい日々は過ぎていく。 ――そのはず、だった。
ある朝、宗一郎が目覚めると、そこは一年前に一度だけ訪れた部屋。 昨晩の記憶を思い出そうにも、激しい頭痛が襲い掛かってくる。 そして隣には、いつも口では自分へ憎まれ口を叩く少女が……抱きつきながら眠っていた。 それもなぜか裸で。
追憶の先へ――波乱の夏が幕を開ける。