いつからそこにあるのか、誰が何のために作ったのか、覚えている者はいない不思議な時計塔。
麻保志学園の天文時計にはこんな伝説があった。
『天文時計から流れる歌を聞くと幸せになれる』
ある日、主人公・諸星大河は天文時計から流れてくる歌を耳にする。
天文時計に登ると、そこには『幸せ』をもたらす『星霊』、自らを『アリア』と名乗る少女の姿があった。
アリアは大河に『幸せ』を与えようとするが、
「『幸せ』とは心に湧き出すもので、ぽんと貰えるようなものじゃない。それはただの『ラッキー』だ」
と大河はそれを拒否する。
『幸せ』をもたらす『星霊』であるはずのアリアは、実は『幸せ』とはなにかを理解していなかったのだ。
「あなたと共に過ごせば、『幸せ』とはなにかわかるかもしれない。幸せってどんなものなのか、教えてよ」
こうしてアリアは『人間として』大河と共に学園生活を送ることにしたのだった。
永遠を捨てて――